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紀伊民報に宇都宮先生の記事が掲載されました
(2012年2月20日)
梅の効能研究 骨粗鬆症予防に期待
紀州田辺うめ振興協議会は17日、和歌山県田辺市高雄3丁目のJA紀南ふれあいセンターで、梅機能性研究報告会を開いた。県立医科大学の宇都宮洋才准教授は、細胞実験によって梅に骨の形成を担う骨芽細胞を活性化する効果があることが分かったと報告。今後、市民の協力を得て梅を食べることで、どれだけ骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防に効果があるか検証していくという。
同協議会は昨年から、県立医大と協力して生活習慣病に対する梅の機能性の研究に取り組んでおり、報告会には梅農家やJA関係者など約130人が出席した。
宇都宮准教授によると、培養細胞を用いた実験で、梅抽出物を添加したところ、骨芽細胞への分化を促進する効果があることを確認したという。梅のどの成分が関係しているのかは研究中という。
そこで来年度からは、同協議会と協力し、市民らにモニターになってもらい、梅を食べた人と食べていない人を比較することで、実際に生活習慣病である骨粗鬆症予防にどれだけ効果があるかを調べていきたいと説明した。
宇都宮准教授の発表に続いて、同大学整形外科学教室の吉田宗人教授が「骨粗鬆症と腰痛」をテーマに講演。吉田教授は、要介護の原因に骨粗鬆症がある現状を説明し「知らないうちに進むので予防が大切」と強調した。
骨は代謝しており、体を使うことと食事が骨を強くする重要な要素だと指摘。骨粗鬆症にかかりやすい人として、やせている人や運動不足、カルシウム不足の人などを挙げた。骨密度を強くするためには若い時からの「骨の貯金」が重要だとして「栄養をとり、運動で骨に負荷をかけて強くすることを心掛けるように」と呼び掛けた。
【梅の効能が紹介された研究報告会(17日、和歌山県田辺市高雄3丁目で)】
(2012年2月19日 紀伊民報掲載)